夏山は暑いので、涼しい沢登りやアルプス方面の高山もいいが、海が見える夏の低山も私は好きだ。 暑い夏の日差しの中、汗をだらだらかきながら、青い海を眺めながらの低山歩きも、また夏らしくていい。
山口県の東部に位置する周防大島は瀬戸内で三番目に大きな島であり、その島の背骨にあたる文珠山から源明山への縦走路は展望がすぐれることから「瀬戸内アルプス」とも呼ばれる。 そんな周防大島に梅雨明け直前の7月中旬に出かけた。
文珠山・嘉納山・源明山縦走(山口県)
〜周防大島:瀬戸内アルプスを歩く〜
山行日 2006年7月16日(月)曇り
コース&タイム 文珠堂登山口(10:23)→文珠山(10:55-11:10)→嘉納山(11:55)→源明山(13:00-55)→嘉納山(14:50)→文珠山(15:37)→文珠堂登山口(16:10)
主なピーク文珠山(663m)、嘉納山(685m)、源明山(625m)
駐車場文珠堂駐車場 メンバーT,H,K


【参考コース地図(文珠山山頂の表示板抜粋)】


文珠堂の駐車場

アプローチ 〜周防大島へ〜

山陽自動車道の玖珂ICで降りた後、国道437号線を大畠町へ南下する。
周防大島は大島大橋により大畠町と繋がっている。 風光明媚な瀬戸内の海と渦潮を眼下に見ながら大島大橋を渡り、国道437号線を久賀方面へ向かう。 途中、長浦から右折し、県道104号線文珠公園線を山へ向かって走っていく。 棚田の中の道を上がって行くと、道は次第に山の中の細い道なるが、どんどん上がって行くと、文珠堂に到着する。

木立の中の静かな文珠堂

文珠堂登山口

文珠堂の手前に、数台は駐車可能な広場があり、古いがトイレもある。 大きな木立の中に文珠堂が厳かに佇んでおり、涼しげで静かな雰囲気のいい空間である。 右手の石段の手前には冷たい水が流れており、そこで水筒に水をいっぱい補給する。
夏場の水は特に重要である。低山であるが縦走路には水場がないので、2.5Lの水を補給した。

文珠堂手前の階段から登っていく

木立の中の登山道はよく整備されている

木立を抜け、明るくなると文珠山頂は近い

文珠堂から文珠山へ

文珠堂前の石段を上がると巨石があり、それを過ぎるとすぐに登山道へ合流する。 登山道は広くてよく整備されており、樹林の中であるせいかそんなに暑くない。
水場を過ぎ、更に登っていくと、目の前が明るく開けたかと思うや否や、文珠山頂に飛び出る。

360度の大展望が広がる文珠山頂
展望抜群の文珠山山頂

文珠山頂は草が綺麗に刈られており、スコーンと開けた爽快な山頂だ。 また山頂からは360度の大展望で、目の前に瀬戸内の海が広がる。 山頂に出るや否や、三人の口から思わず「おおっ!素晴らしい山頂やね〜!」の言葉が出る。
山頂で展望を楽しんだ後、いよいよ瀬戸内アルプスの縦走へかかる。先ずは、嘉納山を目指す。

広々として気持ちいい山頂。気分最高!

柳井市方面の瀬戸内展望

山頂付近はカセンソウ、ウツボグサが咲き乱れる

ここから続く嘉納山・源明山への縦走路

縦走路を嘉納山へ向かう

文珠山から嘉納山へ

天気がうす曇で風があるせいか、真夏にしてはそんなに暑くなく助かる。 少し下って林道を越えると鬱蒼とした杉林の道となる。 このあたりには、長州征伐の時に騎兵隊により築かれた防塁跡があるらしいが、夏草に紛れてよくわからなかった。
登山道は草も綺麗に刈られておりよく整備してくれているので歩きやすい。 平坦な縦走路を行き、再び登り切ると目の前が開けて嘉納山の山頂に出る。

鬱蒼とした植林の中だが木陰は涼しい

途中、休憩できるベンチもある。

よく整備された登山道

登りきると目の前に嘉納山頂が見えてくる

嘉納山頂にて

嘉納山頂にて

嘉納山頂は旧軍の砲台跡となっており、その礎石がグルリと残っている。 きちんとした山頂標識は見当たらなかった。
高い木々がないせいか、ここからも展望が抜群である。 瀬戸内の海を挟んで、半島の山々がよく見える。
ピーカンと天気ならば、日差しが暑くてたまらないはずだが、運よく雲が適当にあり、また海からの風もありそんなに暑くないのが助かる。

嘉納山頂から眺める源明山方向

鉄塔の右手から源明山への縦走路に入る。
向こうに源明山のピークが見える。

源明山へ向かう縦走路にて。お花に挨拶。

嘉納山から源明山へ

嘉納山は嵩山と源明山へ分岐となっており、源明山への縦走路はアンテナ鉄塔の右手を下っていくことになるが、 ここからは登山道の草が刈られておらず道が少しわかりにくい。
再び樹林になると草も少なくなる。登山道の脇で、いろいろな夏の花が向かえてくれた。 KさんとHさんは、なにやら写真を撮って楽しそうに覗き込んでいる。 綺麗なホタルブクロがHさんを歓迎していた!(^^)!。

見事なムラサキニガナ

ホタルブクロ

最後の急坂を登り切ると源明山頂に飛び出る。

嘉納山から源明山へは最初にかなり下り、小ピークを越えた後、再び急な登りとなる。 本コースの山場はたぶん、帰りの嘉納山への登り返しになるので、できればピストン縦走より片道縦走がかなり楽であろう。
日陰は草があまりなく歩きやすいが、日があたるところは草が多い。 途中でマムシに前後を挟まれる一幕もあったが無事に源明山へたどり着いた。 急な階段状の登山道を登り切ると源明山頂へ飛び出る。

戦勝記念碑のある源明山頂

源明山頂にて

源明山頂には四境の役の戦勝記念碑があり、草も刈られ明るい山頂である。 山頂の端にある岩に上がると眺望がいい。 今まで歩いてきた縦走路に嘉納山、文珠山のピークも見える。その横には秀麗な琴石山も見える。
少し遅くなったがここで昼食。曇りのおかげで直射日光ではないが、やはり暑い。 この時期はHさんのソーメンが楽しみであり、今回も茗荷を薬味にごちそうになる。

岩に上がると眺めがいい

嵩山方面もよく見える

嘉納山、文珠山への縦走路

帰路は再び往路を戻る

山頂でのんびりした後、帰路は往路を戻る。 問題は嘉納山への登り返しであるが、時間が短いだけに一気に嘉納山へたどり着く。
真夏の低山であったが、曇りの天気と島特有の海風のおかげで、この時期にしては快適な登山ができたことに感謝したい。
海が見える夏の山もまたいいものである。

竜崎温泉「潮風の湯」にて

周防大島観光

下山後は竜崎温泉「潮風の湯」(700円)。
翌日は周防大島の観光である。これもまた下山後の楽しみの一つだ。 東和地区の海岸をドライブし、立岩馬頭観音見物。その後、嵩山(619m)へ車で登り、展望を楽しむ。
そして、周防大島文化交流センターを見学。ここ周防大島は民俗学者「宮本常一」氏の故郷であり、 文化交流センターはその宮本氏の記念館になっている。 恥ずかしながら、宮本氏の名前はその時に初めて知ったが、その足跡を見学し久しぶりに感銘を受けたのも今回の収穫であった。

周防大島文化交流センター

宮本常一氏常設展示(\300)


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