祖母傾完全縦走(大分県)
【三日目】
〜笠松山−九折越−傾山−三ツ尾−九折鉱山跡−上畑・健男社〜

【山行日】 2004年5月3日  天気:雨
【コース&タイム】 笠松前テン場(5:38)〜笠松山(5:51)〜九折小屋(6:45-55)〜九折越(6:57) 〜杉ケ越分岐(8:08)〜傾山(8:25-40)〜五葉塚(8:58)〜水場(9:14-28)〜 坊主尾根分岐(10:00)〜三ツ尾(10:15-23)〜林道(11:11)〜観音滝上(11:20) 〜九折鉱山跡(11:45-50)〜上畑・健男社(13:00) 【行動時間】約7時間20分
【主なピーク】笠松山(1522m)、傾山(1602m)
【地図】「小原」「祖母山」「見立」2.5万分の一 【メンバー】T(B,N)
【温泉】花水木(竹田)\500

 笠松山から九折越を経て傾山へ

【5:38】早朝、雨の中、テント撤収し出発。
前夜の就寝が早かったので3時前には目が覚めた。朝飯の準備をしながらBさんとよもやま話をし夜明けを待つ。 そのうち、Nさんも起きてきたが、どうやらツェルトに雨が浸みて大変だったようだ。
外はまだ雨が降っている。風もかなり吹いているようだ。朝食後、早々にテントを撤収し出発準備。
5:38、まだ外は暗いが、ヘッドライトをつけ雨の中、出発する。

笠松山頂は縦走路から離れ、左手に急登する。まだ薄暗く風雨も強いが、折角なので笠松山頂へ寄ることにする。 山頂では雨と風が強いので、記念写真を1枚撮ってもらい、早々に退散する。

【5:51】風雨が激しい笠松山頂にて。

スズタケの道を九折越へ向かう。

広々としたミズナラの樹林帯となると九折越は近い。
笠松山から九折越まではスズタケの道を緩やかに下りながらのアップダウンである。 途中で何組かの縦走パーティーとすれ違う。
スズタケの道から、広々としたミズナラの自然林の道になると九折越は近い。

【6:45】雨に煙る九折小屋へ到着する。中を覗いて見ると、二人ほどが出発準備しているだけで、ザックがいっぱい転がっている。 たぶん、ザックをここに置き、傾山へのピストン組が多いのであろう。
テント場は十数張り程度であまり多くない。既に出発したのであろう。

【6:45】雨の中に佇む九折小屋

九折越の天幕場

九折越から傾へ向かう。雨で滑りやすい。
九折越からは自然林の心地よい登山道を行くが、センゲンへの登りに入ると雨の時は道がドロドロとなり滑りやすく歩きにくい。センゲンを越え、いったん下ると目の前に傾山が見えてくるはずだが、今日はガスの中でその姿は見えない。 ガスの中のピンクのアケボノツツジが綺麗だった。
登山道は次第に急になり、時折、岩を掴みながらの登りとなる。【8:08】杉ガ越への分岐に到着。NさんとBさんは、今日はここから杉ガ越へ向かうのだが、ひとまず傾山頂へ一緒に行く。
後傾を越え、一旦、鞍部へ下ったあと山頂へひと登り。風が強く、ピンクのアケボノツツジが一所懸命に揺れていた。

雨に煙るアケボノツツジ。傾山の山容は見えない。

【8:08】杉ケ越への分岐を見送る。
 傾山から水場ルートで九折鉱山跡へ

【8:25】傾山頂。山開きの神事の名残の標柱。
【8:25】傾山山頂へ到着する。山頂はガスの中だ。天気が良ければ、展望抜群で、今回歩いてきた縦走路を 目の前に眺めることができるのだが、真っ白で何も見えない。縦走最後の傾山からの展望を楽しみにしていただけに、非常に残念! 雨はまだ降っており、おまけに風も強くじっとしていると寒い。山頂の標識には山開きの神事の名残の榊が飾られていた。
寒いので山頂は15分足らずで退散。

ここで杉ガ越へ縦走のNさん、Bさんと別れる。どうもお疲れ様でした!

五葉塚。坊主尾根と水場コースを分ける。
ここからは一人であるが、後は一気に下るだけである。風雨が激しいのと、手持ちの水が少なくなったので、下山は水場ルートとることにする。
山頂からは20分弱で坊主尾根との分岐の五葉塚へ出る。直進すると坊主尾根となるが、ここの下りは雨の日は止めたほうが無難である。水場ルートへは右手のほうへ下っていく。 このルートも滑りやすく、また途中、道を間違いやすいところがあるので、テープなどの印を見失わずに進む必要がある。

【9:14】水場に到着。ちょっと遅い朝食とする。たっぷりの水を飲み、行動食を頬張る。他に誰もいず、静かである。水を補給し出発する。

【9:14】水場にて休憩

ヒメシャラと苔むした岩の景観が美しい

【10:00】坊主尾根分岐へ合流。三つ尾へ向かう。
水場からは沢沿いを下って行くが、途中から沢から別れ、アップダウンを繰り返していく。途中、緑色に苔むした岩とヒメシャラのなまめかしい幹が美しい。下りであるがアップダウンがかなりきつく感じる。

水場から30分程度で坊主尾根からの分岐と合流する。登りの場合、天気がいい時は、水場コースより坊主尾根のほうが登りやすいと個人的には思う。
ここから広い尾根道を少し行くと三つ尾に到着する。

木々の間から坊主尾根が顔を出す。
三つ尾には右から白谷からの道が合流する。ここで、若者の男性3人組みと会う。かなり疲れているようだ。どうやら白谷から来たらしいが、途中で道を間違えたらしく、ここまで5時間近くかかったとのこと。 水場の場所を教え、別れる。

三つ尾からは一気の急な下りである。漸く雨が上がってきたようで、下りの途中の木々の間から、三つ坊主の岩峰が顔を出す。
【11:11】林道を横切った後、再び下り、観音滝上部を渡る。観音滝の上部は滑りやすいので危険である。

【11:11】林道を横切り、観音滝へ

観音滝
 九折鉱山跡から上畑へ

三つ尾登山口に飛び出る。
観音滝を見ながら、薄暗い斜面をトラバースしながら下っていくと、三つ尾の登山口に飛び出る。 三つ尾登山口からは、青色の鉄橋を渡り、下って行くと駐車場のある九折鉱山跡に到着する【11:45】。
連休だけあって、駐車場にはバスを含め多くの車が止まっている。

通常ならここで終わりであるが、今回はここから上畑までのひと頑張りが待っている。登山を終え、車に乗り込む登山者を横目で見ながら、重い荷物を再び担ぎ、アスファルトの車道に向かう。

【11:45】九折鉱山跡の駐車場

登山口の建屋にて。

九折川沿いの車道を上畑へ向かう。
九折川沿いの車道のひたすら歩きとなる。逆周りであると、上畑からこの九折鉱山跡へは緩やかな下りとなるが、このコースだと、上畑までダラダラした車道のひたすら登りとなる。 この車道歩きがかなりきつく、荷物が肩に食い込む。
時折、登山を終えた車が何台も追い抜いて行くのが恨めしい。話し相手もいないので、もくもくと歩くだけである。 上畑までは1時間ほどの歩きであるが、なんとこの間で3回も休んでしまった。
見慣れた上畑の分岐を過ぎ、漸く健男社へ到着する【13:00】。天気にはあまり恵まれなかったが、楽しい縦走であった。ひとりで小さく喜ぶ。

【13:00】ようやく上畑へ到着。
下山後の温泉は竹田の「花水月」に行くことにした。 上畑からの車道を車で竹田方面へ向かっていると、車道を歩いて帰っている一人の登山者を追い抜いた。こちらも一人だったので、車から「乗って行かれませんか?」と声をお掛けしたが、丁重にお断りされた。 後でわかったのだが、2004年9月号の「山と渓谷」誌にその山行記録を寄稿されていたMさんであった。5泊6日での大崩・祖母大縦走の最中だったようで、お断りを受けた理由が納得できた。 寄稿文の中に、途中、数名の方に「乗りませんか?」と声を掛けていただいたとの記載があった。

「花水月」にて温泉の後に、焼きそばを食べながら一人で乾杯! 今度は天気のいい時にまた縦走したいなと心に決めた。

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