馬口岳(ばくちだけ:1435m) 宮崎県椎葉村 |
馬口岳は宮崎県の椎葉村と水上村の境にあり、湯山峠を挟んで市房山の北方に位置する。 以前、馬口岳へは江代山から行くことができたが、直接の登山道はなく、地元の人達にしかあまり知られてなかった。昨年(’99年)の夏、馬口岳を愛する地元の人達の手で、川の口方面からの登山道が整備され、漸く一般の人達の目にとまるようになった。 山頂は木立の囲まれており、部分的にしか展望は得られないが、山頂より少し北側のある「ばくち石」からの展望は息を飲むほどで、霧立越や向霧立越の中央脊梁の山々の展望が素晴らしい。 |
椎葉村小崎地区川の口から見る「馬口岳」 「せいさん」宅の庭から眺める。 山頂より右下に見える小さな突起が「ばくち石」 |
【今回登山のいきさつ】 馬口岳への登山道が整備された後、地元の「せいさん」よりネット上で「馬口岳」の紹介があり、その名を初めて知った。 そのうち、それを見た登山者がポツポツと馬口岳へ行くようになり、山頂付近の「ばくち石」からの展望が話題となった。 私も興味があったが、なかなか行き出せずにいたが、とあることからネット仲間で結成された「やまびこ会」なるもののオフ会で、「馬口岳」へ行くことを知り、今回参加させていただいた。おまけに、猪鍋付きらしいことにもその一因である。 |
山行記録(その1) |
山行日 | 1999年12月26日(日)晴れ | メンバー | 「やまびこ会」さん、9名 |
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コースと タイム(分) |
登山口→(25)尾根(合戦原から合流点)→(60)馬口岳山頂→(10)ばくち石→山頂→(80)登山口 | ||
駐車場 | 登山口の広場 | 利用した温泉 | なし |
1.登山口へ | ||
早朝、自宅を出るときは雨であった。天気の回復を祈りつつ、小倉東ICより九州自動車道へあがり、福岡市方面へ車を走らせる。途中から雨が小雪に変わり、いやな気分になる。 筑後川を渡り、久留米を通り過ぎるころから夜が明け始める。熊本方面へ南下するにつれ、空は明るくなり、次第に青空が見えてくる。どうやら、本日の天気は大丈夫と一安心。 熊本は託麻PAで福岡市からのNさん、Uさんと合流する。初対面の挨拶をかわし、一路、御船ICからR455へ降りる。矢のように突っ走るNさんの後に続き、矢部町からR218へ入り、蘇陽町馬見原へ向かう。 馬見原からR265を南下していくと、ところどころに雪が現れてくる。国見トンネル手前の道路脇広場で他のメンバーを待つ。 携帯で連絡を取り、寒さに震えながらしばらく待っていると、延岡からのSさん、Rさん、そして久留米からのWさん、Kさんが到着する。一通りの挨拶を済ませた後、車2台に乗り合わせ、椎葉村へ向かう。 国見トンネルを抜けると、打って変わって、ポカポカした天気となり、道路には雪も見あたらない。椎葉ダム添いの狭いクネクネ道をひたすら走り、椎葉村小崎地区の「せいさん」宅へ到着する。 日当たりの良い、せいさん宅の縁側に集まると、既に水俣からのMさんは到着していた。 笑顔のせいさんご夫婦とご家族に迎えられ、皆で再度挨拶をかわす。 おそれ多くも、せいさんに準備していただいた「おにぎり弁当」と「猪鍋」セットを分担し、出発の準備をする。庭からは目の前に、これから行く「馬口岳」の姿が見える。山頂より少し下に「ばくち石」の小さな突起も確認できる。 2台の車に分乗し、林道最奥部まで車で行く。林道は狭いが、切り返しをしながら、ゆっくり進む。 林道最奥部は小さな広場となっており、車数台は駐車可能である。 |
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2.登山 | ||
林道最奥部には「馬口岳登山口」の真新しい標識がある。 地元のせいさんご夫婦手作りの標識である。 その標識の前で、皆で記念撮影をパチリ。 前日までの寒波のせいか、うっすらと雪が残っている。 身支度を整えて、さあ出発だ! |
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林道最奥部の登山口にて(Nさん提供) | ||
登山口からは東側が開けた植林帯の登りとなる。 東側にどーんと広がる山々の展望が爽快である。 地元Sさんの背中にはシシ鍋用の鍋が揺れているが、その姿が何故か似合っており、思わず笑みがこぼれる。 道はすぐに薄暗い杉林の植林帯に入る。 薄暗い杉林の中を一歩一歩登って行く。 約30ほどの登りに喘ぐと、一段目の尾根に出る。 左手から合戦原方面からの登山道と合流し、馬口岳へはここを右折し尾根伝いに進む。 |
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開けた植林帯を登り始める | ||
ここからは尾根歩きとなる。 杉林の中の平坦な道を少し行くと、すぐに急な登りとなる。 数センチ程度の積雪が残っているため、滑りやすいが、一歩一歩登って行く。 初対面の人達が多い割には、既にすっかりうち解け、ワイワイ言いながら賑やかに登る。 薄暗い杉林の中の道を右に巻くように登って行くと、2段目の尾根に上がる。 |
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植林帯の尾根道を進む | ||
ここからは馬口岳山頂までは比較的平坦な尾根歩きとなる。 回りの木々は杉林から自然林へとその姿が一変する。 空は既に雲一つないほどの青空が広がり、冬枯れの樹木と青空のコントラストがとても綺麗だ。 |
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回りの木々は自然林と姿を変える | ||
尾根を歩きながら、ふと左手(南方)を見ると、うっすらと樹氷に覆われた秀峰・市房山から二つ岩への立派な山並みがはっきりと見える。とても綺麗な山容だ! 市房山を堪能しながらしばらく進むと、目の前に樹木で覆われた馬口岳の山頂が見えてくる。 その左隣には白く薄化粧をした江代山がデーンと座っている。 |
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市房山の展望が素晴らしい | ||
目の前に馬口岳の山頂が顔を出す | 白く薄化粧をした江代山 | |
馬口岳山頂に到着 |
小さなアップダウンを繰り返すと、馬口岳山頂へ達する。 山頂は地元の皆さんにより、スズタケがきれいに刈られており、広々としている。 樹木で囲まれ、展望は部分的しかきかないが、のんびりと休むにはもってこいである。 待望のシシ鍋に気分もそぞろとなるが、ここはグッと我慢して、少し先の「ばくち石」へ行く。 |