新緑とヤマシャクヤクの天主山へ(熊本県)
〜 鮎の瀬・鴨猪川登山口から天主山の往復 〜

山行日 2005年5月15日(日) 天気:晴れ
コース&
タイム
鴨猪川登山口(7:10)〜1194ピーク近傍(8:08-20)〜ヤマシャクヤク散策〜天主山山頂(9:23-30) 〜ヤマシャクヤク群生地(10:00-11:10)〜天主山山頂(11:46)〜鴨猪川登山口(13:30)
【行動時間】約6時間20分
主なピーク天主山(1494m)
アプローチ行橋〜耶馬溪〜日田〜菊池〜御船〜矢部〜鮎の瀬
【所要時間】約5時間半
温泉高森温泉館(\400) メンバーT、K

 アプローチ

矢部町菅地区の立派な「鮎の瀬大橋」
昨年の台風以来、内大臣林道が通行止めとなっており、従来の椎矢峠まで車で入れないが、 最近、天主山北側からのルートが整備されているらしいと知り、そちらから天主山を目指すことにした。

矢部町でかの有名な「通潤橋」から、よく整備された農道を走ると約15分で緑仙峡・鮎の瀬大橋を渡る。 鮎の瀬大橋を渡った後、左折し少し行くと、右手に「大しめ縄」の標示があり、そこを右折して鴨猪川林道へ入る。
 鴨猪川登山口から天主山へ

鴨猪川林道途中の登山口(下山時撮影)
鴨猪川林道は途中から無舗装道路となるが、そんなに荒れてなく少し車高の高い車であれば問題なく行ける。 但し、林道はその季節の天候により変化するので事前の確認はしておいたほうがいいだろう。
大しめ縄標示から登山口付近までは約4Km、車で20分程度である。登山口付近は林道が二股に分かれており、その周囲に数台の車の駐車は可能である。 手前にも何箇所か広い路肩広場があるので、そこに止めてもいい。
早朝、我々が到着したのは一番乗りで他に車はなかったが、下山時は一杯であった。

急な尾根に取り付く
鴨猪川登山口を出発

林道を右に少し進むと、左手に迫る尾根の取り付きに入り口の標識がある。 この尾根に取り付き、天主山へ一気に登るルートである。 最初からかなりの急登であり、ロープが下がっている。 心地よい早朝の木漏れ日を浴びながら尾根に取り付く。

最初から急な登りであるが、自然林の新緑が綺麗なので気持ちいい登山道である。 登山道の端にはあちこちにギンリョウソウが首をもたげていた。

新緑が気持ちいい登山道

ギンリョウソウ

1194ピーク周辺から天主山方面を見る
急登に喘ぎながらゆっくり登って行く。モミの大木が多くなってくる登りは緩やかになり、1194ピークを巻きながら進むと、目の前が開け、天主山方面が望める場所に出る。天主山山頂は目の前のピークの奥であり見えない。
登山口から約1時間、今まであまり展望が利かなかったので、休憩するにはもってこいのところである。 ここで休憩していると、後から来ていた4人組も到着する。地元熊本のパーティーらしく、メンバーの一人は先週もここへ来たらしい。「今週がヤマシャクヤクにはちょうどいいよ!」と教えていただき、元気が出てくる。

新緑とハイノキが美しい
ここからは一旦下り、再び登りに取り付く。登山道の脇にはハイノキが多く、ちょうど白い花がビッシリとついていて感動ものである。 さしずめ、ハイノキのトンネルである。ハイノキの甘い香りがあたりに漂っている。

再びロープが設置された急斜面を登ると石灰岩が露出してくる。このあたりから、漸くヤマシャクヤクが現れる。

石灰岩の露出帯になるとヤマシャクヤクが現れる。
ヤマシャクヤクの群生斜面

咲き始めたヤマシャクヤクを見ながら登っていると、目の前にヤマシャクヤクの群生斜面が現れ、息を飲む。 斜面の奥まで白いヤマシャクヤクの群生が続いており見事な景観である。予想以上に多い群生にしばらく言葉を失った。
登山道も綺麗に整備されており、歩きやすく、お花畑の公園の遊歩道を歩いている錯覚に陥るほどだ。ヤマシャクヤクに感嘆しながら斜面を登っていくと、天主山の山頂へ飛び出る。 山頂付近にはニリンソウ、ユキザサも負けずに咲いていた。

ヤマシャクヤクの斜面に見とれる

清楚なヤマシャクヤク

樹木に囲まれた天主山山頂
天主山山頂にて

天主山山頂は残念ながら樹林に囲まれ、あまり展望は利かない。 こじんまりとした山頂である。 朝の出発が早かったせいか、山頂は一番乗りであった。しばらくすると、熊本の4人組も到着した。 話を聞いていると、この先の椎矢峠方向へ行ったところにヤマシャクヤクの大群落があるらしい。
少し休憩し、我々も4人組の後を追うように出発する。

ニリンソウ

ユキザサ

椎矢峠方面へ向かう。ミツバツツジも綺麗。
天主山からお花畑へ

山頂から東へ延びる尾根の斜面もヤマシャクヤクがいっぱいである。 少し遅いがところどころにピンクのミツバツツジも残ってくれていた。
途中の石灰岩の露岩あたりから、南方の国見方面、そして間近に高嶽、三方岳が見える。山腹の内大臣林道がやたらと目だって山を横切っている。

三方岳方面を眺める

高嶽方面を眺める

見事なヤマシャクヤクの群生
アップダウンを繰り返しながら尾根を下り気味に進むと、目の前が開けた広々とした場所へ出る。
樹林の下には一面にシャマシャクヤクが咲き乱れており息を呑む。 まさにお花畑である。ヤマシャクヤクの中を縫うように踏み後が続いているので、できるだけ踏み跡以外には入らないように進む。

この辺りは平地状でかなり広範囲に広がっている。ガスで視界が悪い時は迷いやすいだろうと推察される。


ヤマシャクヤクのお花畑の中で
お花畑の中の比較的広い空き地でのんびりと昼食とする。目の前のヤマシャクの群落を見ながらのビールは最高である。同行のKは先が気になるらしく、周囲をやたらとウロウロ見て回って嬉しそうだ。熊本の4人組も賑やかに昼食。
のんびりしていると三々五々、登山者が現れる。北九州からの若い女性の単独行もカメラでしきりに写真を撮っていた。

ヤマシャクに囲まれ嬉しそうなTaka
椎矢峠方向からも何人か姿が現れる。話し声を聞いているとどこかで聞いたことがある声である。 「宮崎の林道へいらっしゃい」のyasuさんであった。yasuさんとはちょうど一年前に祖母山のボランティアにご一緒して以来の再会であった。 偶然の再会に握手を交わす。
しばらくヤマシャクヤクの群落を満喫した後、下山は往路を戻ることにする。時間が早いのでのんびりと花を見ながら天主山へ再び戻ると、沢山の登山者でいっぱいであった。更に続々と登ってくる登山者に挨拶しながら下る。

新緑の木漏れ日が心地よい
新緑の木漏れ日の中、往路を下山。

ヤマシャクヤク、ニリンソウ、ヒトリシズカ、ハイノキ、ギンリョウソウ、オトコヨウゾメなどの白い花 の中にスミレ、ヤブツバキなど花も色を添える。Kは「三人娘の写真」を撮って嬉しそうだ。
花も綺麗だが、この時期の山は新緑の緑も見事である。新緑からこぼれる五月の木漏れ日を浴びながら、急な尾根道をひたすら下った。


Home山行記録INDEX(山域別)山行記録INDEX(年次別)