尺岳・福智山・牛斬山縦走(福岡県)
〜 菅生の滝−尺岳−福智山−牛斬山−採銅所駅 〜

【山行日】 2003年12月7日(日)  天気:晴れ ;ボッカ訓練
【コース&タイム】 菅生の滝P(8:58)〜林道車道(9:20)〜尺岳へ入口(9:30)〜自然歩道合流(10:10)
〜尺岳平(10:15)〜尺岳(10:20-30)〜山瀬越(10:50)〜豊前越(11:25)〜
荒宿荘(12:08-13:10)〜福智山(13:20-30)〜頂吉分岐(13:57)〜赤牟田の辻(14:40)
〜牛斬山(15:47-16:00)〜採銅所駅(16:57)〜車にて移動〜菅生の滝(17:30)
【行動時間】約8時間
【主なピーク】尺岳:618m、福智山:901m、赤牟田の辻:791m、牛斬山:580m
【駐車場】採銅所駅、菅生の滝 【メンバー】T(25kg)、H、K
【利用温泉】なし 【地 図】「徳力」「金田」2.5万分の1

 アプローチ(採銅所駅から菅生の滝へ)

採銅所駅に車1台デポする。
正月遠征のボッカ訓練第一弾として、近場の福智山を選んだ。今回、靴を新調したため、靴慣らしを兼ねてできるだけ緩やかなコースで長距離を歩いておきたかった。とは言え、冬場の日帰りなので、時間的に菅生の滝から採銅所駅までの縦走とした。
いつもの山仲間のHとKも一緒に同行してくれることなり、第一弾にしては賑やかなボッカ訓練になった。

8:00、採銅所駅駐車場に集合。ここに車を1台デポする。線路の向こうに、朝日を浴びた「龍ガ鼻」が光り輝いていた。 この日は、小倉キャンプ2主催(?)の「採銅所から皿倉山までのウォーク大会」があるらしく、駅前には参加者が集まっていた。
 菅生の滝から尺岳へ

今回の登山口の「菅生の滝」駐車場。
採銅所駅からはもう一台の車で今回の登山口である「菅生の滝」へ向かう。R322から鱒淵ダムを通り過ぎ、道原を左折し、狭い道を行くと「菅生の滝」の立派な駐車場に到着する。トイレもあり、綺麗に整備されている。
夏場は滝涼みが目的で、家族連れなどが多いが、さすがにこの時期は我々の他に誰もいいない。

早速、出発準備だ。今回は鉄アレイと水で重量を25Kgに調整する。新調の靴を履くと気合が入った。

菅生の滝手前から左の山道へ入る。
8:58、出発。
菅生の滝へ続く歩道の途中から、「尺岳へ」の標識に導かれ、山道に入っていく。

薄暗い樹林の中の道を登っていくと、すぐに車道の林道へ出る。その車道をしばらく行くと、上空に高圧鉄塔線が見えてくる右カーブに再び「尺岳へ」の標識がある。

車道から尺岳への山道の入り口
ここから山道らしい登山道になる。
左手に沢を見ながら、沢添いの山道をしばらく行く。比較的、明るい沢添いの道で、雰囲気のいい道であるが、ほとんど登りがなく、平坦な道をひたすら行く。

漸く沢を離れると、樹林の中の登り道となるが、ほとんど急な登りがなく、皿倉からの九州自然歩道に合流する。

縦走路への合流点の分岐
この合流点を右に行くと尺岳平を経て福智山への縦走路となる。右へ行くと、田代を経て皿倉山への縦走路となる。
合流点を真っ直ぐ行くと、四方越を経て、畑観音もしくは竜王峡へ下ることができる。
縦走路は九州自然歩道だけに、よく踏まれたしっかりした登山道である。

広々として気持ちいい尺岳平
縦走路を数分行くと、明るく開けた尺岳平に出る。
広々とした草地で、三角形の屋根付きの立派な休憩所が特徴的である。
日向ぼっこをしながら大勢で休憩するにはもってこいのところだろう。
ここから、尺岳へは右折し、北へ数分のピストンをすることになる。

祠のある尺岳山頂
尺岳山頂は岩場になっている。この岩場はその昔、日本武尊と背比べしたが、一尺及ばなかったという伝説が残っているらしく、その一尺が尺岳の山名の由来になったとも言われている。

山頂の西側は断崖となっており、北九州市が見渡せ、展望がよい。また、少し背を伸ばすと、南のほうにこれから目指す福智山の秀麗な頭も見える。

山頂からは西側に岩場からの展望がよい。

ススキの向こうに、福智山の頭が見える。
 尺岳から縦走路を福智山へ

縦走路の山瀬越にて
尺岳から尺岳平へ戻り、再び九州自然歩道の縦走路に入る。縦走路は綺麗に整備されており、歩き易い。
冬を迎えようとしている縦走路には落ち葉が多く、踏みしめながら歩く。

なだらかな道をしばらく行くと林道が横切る「山瀬越」に出る。縦走路には自然歩道の看板やベンチが多く、ゆったりとした山歩きを楽しむことができる。

豊前越にて
再び、ひたすらに緩やかな縦走路を行くと、「豊前越」の鞍部へ出る。ここにもベンチがある。
右に下ると内ガ磯へ、左に下ると七重の滝を経て鱒淵ダムへの登山道が交差している。

ここからは少し急な登りとなる。目の前に福智山頂が見えてくる広場に出ると、「からす落し」である。ここも右へ内ガ磯、左にホッテ谷新道で鱒淵ダムへ行くことができる。

「荒宿荘」に到着!
からす落しから、再び急な登りを行くと、水場「たぬき水」へ出る。水場のすぐ横が荒宿荘である(12:08到着)。
ここからは北面の展望が良く、今まで歩いてきた尺岳方面の山並みが見渡せる。

小屋の中はいつもながらよく清掃されている。既に小屋の中は大勢の登山者が昼食をとっている。今までの行程は比較的なだらかだったせいか、荷物の重さはあまり感じなかったが、いざ荷物を降ろすと、前に倒れそうになる。我々も小屋の中で、昼食とする。

秋の名残のススキの草原を行くH。
小屋の中は大賑わいだ。我々も、鍋焼きうどんにビールと焼酎で大満足。

ゆっくり昼食をとった後、13:10、小屋を出発し、福智山頂へ向かう。ここから、山頂までは、Kと荷物交換することにした。後ろから見ると、荷物が歩いているようだが、しっかりと登っていく。
かたやHは、ススキの中の草原を気持ち良さそうに登って行く。

大荷物をボッカするK。振り返ると展望抜群。
福智山山頂が近くなると草原となり、展望が開ける。山頂への最後の急な登りを喘ぐと、広々とした山頂へ到着する(13:20)。

山頂からは360度の大展望である。とても標高900mとは思えない風格のある山頂だと私はいつも思う。直方の山、英彦山山地、香春岳から平尾台など360度、見渡せる。
特に北側の大岩の上からは北九州方面の展望がよく気持ちいい。

福智山山頂で記念写真。

北側の大岩の向こうに雄大な展望が広がる。
 福智山から念仏坂・赤牟田ノ辻を経て牛斬山へ。そして、採銅所駅へ。

遠くに念仏坂が見える。
13:30、福智山山頂で一服した後、長い牛斬山への縦走へ向かう。目の前には冬枯れのススキとカヤの道が続き、かなたには念仏坂の直線が見える。
冬枯れのカヤ色は綺麗だ。後ろを振り向くと冬枯れ色に輝く福智山の山容が素晴らしい景観だ。
ここから念仏坂までは緩やかな起伏を何度か繰り返す。

冬枯れのススキとカヤの中を行く。

振り返ると、冬枯れの福智山が綺麗だ。

念仏坂を登る!
念仏坂付近の道からは綺麗に草刈された幅広い防火帯状の道である。念仏坂はそんなに高度差はないが、尺岳方面から縦走する場合に、ちょうど疲れがピークに達するため、かなりきつい。 ここの登りに入って、ボッカの荷物が堪えてきた。25Kgの重量が肩に食い込む。思わず、念仏を唱えるようにブツブツ言う私の横を、Kが軽やかに抜いて行った。

赤牟田ノ辻にて
14:40,倒れこむように、念仏坂を登り切ると、そこは赤牟田ノ辻のピークである。草が綺麗に刈られ、広々として気持ちいい。
荷物をおろし終盤へ向けて一休みだ。
振り返ると、遠くに秀麗な福智山の山容が見える。

ゴルフ場のフェアウェイみたいな縦走路
赤牟田ノ辻からは牛斬方面への縦走路を見渡すと、ゴルフ場のフェアウェイみたいな幅広い防火帯状の道が続いている。遠くに、本縦走の最後の牛斬山のピークがちょこんと見える。
念仏坂を一気に下り、幅広い防火帯をゆるやかに下って行く。尺岳方面から牛斬山への縦走は主峰福智山を境にして、登山道の景観がごろっと変わる。尺岳から福智山までは自然林の樹林帯の中の道で展望はあまりきかないが、福智山から牛斬山へは、カヤやススキさえ、きちんと刈られていれば、明るい展望のよい縦走路となる。 どちらとも楽しめる縦走路である。

展望の良い牛斬山頂にて
15:47、今回の最終ピークである牛斬山へ到着。
牛斬山頂からも360度の大展望である。東には、採掘されたすっかり平らになった一ノ岳と、まだピークの残る二ノ岳、三ノ岳の香春岳が見える。北東には龍ガ鼻から平尾台の山容も間近である。
西方向を見ると、木々の間から、福智山の山頂もちょこんと見える。
行動食で一休みした後、いよいよ最後の下りに取り掛かる。

採銅所駅に到着!
牛斬山から採銅所への下りは、植林帯の中の薄暗い道である。
薄暗い道を一気に下ると、堰堤のある車道へ出る。ここからは、車道を採銅所駅まで歩く。
16:57、採銅所駅に到着。まだ、明るいうちに到着してほっとする。
ここからは、予めデポしておりた車に乗り、朝の登山口の菅生の滝駐車場へ戻る。駐車場へ戻ると、つるべ落としのように、あたりが暗くなってきた。
K,H両氏の同行のおかげで、靴慣らしとボッカのいい訓練ができたことを感謝したい。


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