紅葉のブナ原生林・安蔵寺山を歩く (あぞうじやま:1263m:島根県)〜 奥谷登山口から往復 〜 |
山行日 | 2007年11月3日(土)晴れ | ||
コース&タイム | 奥谷駐車場(7:35)→打原峠(7:53)→安蔵寺トンネル分岐(8:43)→ミズナラの巨木(8:45-9:00)→ゴーロ谷ピーク(9:19)→芦谷分かれ(9:23)→第二ピーク中峰(9:47)→寺跡地(9:52) →安蔵寺山頂(10:00-10:05)→展望台(10:10-11:10)→安蔵寺山頂(11:15-20)→打原峠(12:51)→奥谷登山口(13:05) | ||
主なピーク | 安蔵寺山(1263m) | 駐車場 | 奥谷登山口 | 温泉 | 柿木温泉「はとや温泉」(\400) |
メンバー | 単独 |
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西中国山地西端に位置する安蔵寺山はブナの極相林が素晴らしいと友人から聞いており、是非とも紅葉か新緑の頃に行ってみたいと思っていた。 ブナの紅葉のちょうどいい時期に出会えるのはなかなか難しい。11月初め、会社が終わった夜中に車を走らせ、西中国へ向かった。 奥谷登山口からは打原峠から安蔵寺山まで全長約5Kmの自然林の尾根歩きを楽しめるルートである。 またルート途中には西日本一といわれるミズナラの巨木「ナラ太郎」もあり、このナラ太郎に会うのも今回の楽しみの一つだった。 今回、山頂付近のブナは既に落葉していたが、途中の尾根歩きの紅葉はちょうど良く、素晴らしいブナの極相林に出会えたので紹介したい。 |
▼ 奥谷登山口から安蔵寺山コース紹介 | |
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◆奥谷登山口 広々とした駐車場で30台程度駐車可能。綺麗なトイレや横に東屋もある。 AM7:00に到着したが、一番乗りであった。紅葉シーズンで登山者が多いかと思っていたが、朝が早すぎたようだ。 |
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九州人はクマに疎い。西中国山地はガイドブックなどを見ると、「クマの生息地につき注意」と頻繁に記載されている。
クマ除け鈴は持ってきたが、一人だとクマが気になるので、他の登山者が来ないかなあと思っていたら、運のいいことにすぐに、一組の夫婦が来られたので、しばらくしてその後に出発する。 トイレの横にこの山域の案内板がある。案内板の横の階段を上がっていき、林道へ出る。 |
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林道をほんの少し行くと、すぐに広場があり、その広場の奥から山道の登山道となる。 |
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登山道に入るとすぐに沢の橋を渡り、自然林の中を登って行く。 色づきはじめた広葉樹がきれいで、雰囲気のいい登山道である。 |
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◆打原峠にて 20分弱で打原峠へ出る。 左へは0.8Kmで燕岳への登りになり、右へ行くと安蔵寺山へ続く4.7Kmの縦走路となる。 |
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打原峠からは自然林の中の緩やかな縦走路となる。
登山道も広々として、とても歩きやすい。 色づき始めた紅葉に朝日があたり、清々しくとても綺麗だ。 |
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◆見事なブナ林の登山道を行く 縦走路に入るとすぐにブナが現れる。 かなりの数の見事なブナ林である。 色づいたブナを見上げながら歩いていると、なかなか前に進まない。 |
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◆安蔵寺トンネルからの道と合流 ブナを見ながらのんびりと歩いて行くと、安蔵寺トンネルからの登山道と合流する。ここからナラ太郎まではすぐである。 安蔵寺トンネル前から登ると、ここまでは10分程度で来れるらしいので、ナラ太郎に会いに来るだけだとトンネルからが便利であろう。 |
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◆西日本一のミズナラの巨木 推定樹齢600年の「ナラ太郎」 トンネルの分岐を過ぎるとすぐに、ミズナラの巨木「ナラ太郎」の大きな姿が目の前に現われてくる。 笹の原の中に大きなナラ太郎の姿が映える。 |
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ミズナラの巨木・ナラ太郎は 推定樹齢600年、 幹周り4.4m、 樹高約20m とまさしく西日本一の大きさを誇るミズナラの巨木であるらしい。 会いたかった巨木に会え、しばらくこの下で休む。ベンチもあり、ゆっくりできる。 大きな幹に抱きつき頬ずりをして、エネルギーを分けてもらう。 |
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ナラ太郎を過ぎると、さらに素晴らしいブナ林が続く。 |
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◆ブナの極相林を行く 予想以上に素晴らしいブナ林に感激する。 このあたりの紅葉もちょうどよく、赤い紅葉と黄色いブナの紅葉のオンパレードでしばし歩くのを忘れるほどだ。 大きなブナを見上げながら歩いていると、首が痛くなってきた。 ここのブナ林は典型的な「ブナ−クロモジ群生林」であるらしく、ブナをはじめミズナラ、アシオスギ、カエデ類、オオカメノキ、 クロモジ、チマキザサ、オクノカンスゲ、ツルアジサイ、サルナシなど多様な群集が特徴である。 |
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見ごたえのあるブナ林が一段落すると、目の前に安蔵寺山の丸い山容が見えてくる。 登山道は少し下って再び登っていく。 |
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ブナに混じって、緑色のスギの木がよく目立つ。 このスギはアシオスギというらしく、説明書きがあった。 「日本海側の多雪地帯特有のスギの一変種。下枝を多く出し、地面に接したところから根を出す性質がある。 京都大学芦生演習林の物がタイプとなったので、この名がある。」 |
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緩やかに登って行き、高度が上がってくると、ブナも落葉が目立つようになる。 落葉で明るくなったチマキザサの中のブナ林の向こうに安蔵寺の山頂が見えてくる。 |
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少し行くと、平坦な笹原の安蔵寺屋敷跡に出る。ここにはその昔、この山の名前の由来となった「安蔵寺」があったという謂れがあるらしいが、定かでないよだ。 再び緩やかに登って行くと、安蔵寺山頂に到着する。 |
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山頂からは部分的に展望が得られる程度であまりよくない。 山頂には誰もいず、結局、ここまで駐車場でお会いした夫婦以外は誰にも会わなかった。 山頂の手前から南へ少し下っていくと展望所があるらしく、そこへ移動する。 |
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山頂から数分で、突然、目の前が開けた笹の原の展望所に飛び出る。
南側が開けており、開放感あふれる展望である。
ベンチも数個あり、展望を楽しみながら休憩するにはもってこいの場所である。
ここへ来ると、ゴキの郷登山口から登ってきた登山者が何人かいた。 ここからの展望は抜群である。小五郎山から容谷山、そして右谷山から寂地、冠山への山並が間近に見える。 展望を満喫した後、下山は来た道を再びブナを見ながら戻る。ブナ林の素晴らしい山であった。 |
寂地山、冠山方面 |
小五郎山 |
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◆柿木温泉 下山後は柿木温泉「はとの湯荘」で疲れをいやす。歴史ある温泉である。 |