初冬の十種ケ峰を歩く
山口県阿東町の徳佐盆地は私の好きなエリアである。その盆地に入るとひと際、目立つのが「十種ケ峰」である。 別名「長門富士」とも言われるように、綺麗な山容の山である。
単独峰であり、山頂には木々がないため、山頂からはまさしく360度の素晴らしい大展望を望むことができる。 そんな十種ケ峰に登りたくて数年前に一人で登ったが、生憎の雨で山頂はガスの中、 自慢の展望を見ることができなかったので、もう一度登りたかった山である。
今回、雪が積もる前の初冬の十種ケ峰に神角登山口より登ったので紹介します。
十種ケ峰(とくさがみね:988.8m:山口県)
〜 徳佐盆地の秀麗・長門富士 〜
山行日 2008年12月20日(土)晴れ
コース&タイム 神角登山口(10:18)→林道横断(10:55)→石の鳥居(11:25)→十種ケ峰山頂(11:48-14:00)→神角登山口(14:58)
アプローチ 小倉南IC(8:00)→小郡IC→国道9号→徳佐(9:40)
主なピーク十種ケ峰(988.8m)
メンバーTaka、ワタスゲ(九州さんらく会)

十種ケ峰へ
一か月前に同じ徳佐盆地を囲む「高岳山」へ登った。その時に山頂から見た「十種ケ峰」はとても綺麗な形の山でひときわ目立った。 九州でいうと湧蓋山を思わせる山容である。十種ケ峰は数年前に登ったことがあるが、その時は生憎の雨だったので、次は再度、あの十種ケ峰にリベンジだと決めた。 今回、同じ九州さんらく会の同級生ワタスゲさんに同行いただいた。
小倉南ICから高速に乗り小郡ICで降り、国道9号線を阿東町へ走る。長門峡を通過し徳佐盆地に入ると徳佐特産のリンゴ園が目に入ってくる。帰りに寄ることにする。 徳佐下長沢の交差点を左折して国道315を神角登山口へ向かう。下長沢交差点付近にはコンビニやスーパーがあるのでここで買い物をすると便利だ。 神角登山口へは315号の途中から登山口の表示があるところを右折していくと、神角の広いバス停がある登山口へ到着する。バス停の広場は避け、民家の脇に車を止めさせていただく。
周りはのどかな農村風景であり、心が落ち着く。目の前にこれから登る十種ケ峰も見える。登山道の標識を従って、舗装道と行くと、すぐに山道へ入る。 山道の入口には柵があり、登山者は「きちんと開け閉めをして下さい。」と書かれている。

↑ 神角登山口。バス停広場の横の民家横に承諾を得て車を止める。


↑ 登山口を出発する。のどかな農村風景に心が落ち着く。


↑ 登山口へ入っていく


↑ 自然林の中の落ち葉の道を行く


↑ 再び薄暗い植林帯を抜ける


↑ 林道を横切る

登山道は薄暗い植林帯から次第に自然林に変わっていく。落葉した落ち葉で、登山道はさながらフカフカの落ち葉の絨毯である。 ビニールシートを敷いて尻ソリするとかなり快適なソリができそうだ。 再び薄暗い植林帯を抜けると林道横切る。あたりの樹木には野鳥の調査用の巣箱がかかっており里山の雰囲気たっぷりである。
林道を横切っていくと、チマキザサの広がる明るい空間に飛び出る。目の前に十種ケ峰が見えてくる。 チマキザサの中に落葉した冬枯れの自然林の枝ぶりなど雰囲気がとても良く、また緑色の松が点々と散らばり、日本庭園を思わせる景観である。 振り返ると、後ろには周りに広がる中国山地の山々が見えてくる。

↑ 目の前に十種ケ峰が見えてくる。開放感あふれる空間。




↑ チマキザサと落葉した木々の雰囲気がいい登山道を行く




↑ 思わず振り返りたくなる景色


↑ 振り返ると周りの山々が見えてくる。


↑ チマキザサの中に点在する松の景観

雰囲気のいい景観を見ながら登って行くと、スキー場側からのメインの登山道に合流する。 ちょうど合流点に真新しい石の鳥居ができていた。数年前に来た時にはなかったので、最近できたようだ。 鳥居の下に建立の言われを記した銘板があり、見ると今年の3月にできたらしい。 病気平癒のために山頂下の熊野権現さんにお参り続けた母親に感謝して建立したらしく、そのいわれを読むと胸が詰まる思いがする。
ここで女性二人の賑やかな登山者にお会いする。よく登りに来られているようだ。 鳥居を過ぎ、階段状の登山道を上がって行くと、広場に飛び出る。広場には看板があり、目の前に十種ケ峰の山頂が見える。 この先から登山道は二つに分かれる。左が山頂へ直接の急登で、右は熊野権現さんを経由していく少し緩やかなコースである。 我々は左から登り右へ下ることにする。山頂までの最後の登りを一気に登って行く。振り返ると、日本海側の展望が雄大に広がる。 ひと登りで、チマキザサの広がる山頂へ到達する。遮るものがなく、360度の大展望である。

↑ スキー場側からの登山道に合流。
真新しい鳥居に出る。


↑ 看板のある広場通過、山頂が見えてくる


↑ この先から登山道は左右に分かれる


↑ 振り返ると日本海が見える


↑ 開放感たっぷりの山頂到着!


↑ 360度大パノラマの山頂


↑ 山頂記念写真

山頂からは360度の大パノラマである。津和野の丸い青野山が目立ち、そこから高岳山、野道山、飯ケ岳へ続く徳佐盆地を取り巻く山々が間近に見える。 その向こうには、安蔵寺山から寂地山系が遠くに見える。長野山、弟見山からポコンと飛び出たあざみケ岳の山並。 そして山口市の東西ほうべん山も見える。日本海側の海岸線も見え、自慢の大展望を満喫する。風があり、少し寒い。 ちょうど女性二人組が到着したので、記念写真を撮っていただく。風を少し避けたところで山頂で展望を満喫しながら、のんびりと昼食。あまりにも気持ちよくて、かなりの時間過ごしたようだ。
下山は往路をそのまま戻り、落ち葉の登山道を駆け降りた。

↑ 津和野の青の山から高岳山へ続く山並。その向こうに、安蔵寺山、寂地山系の山並。




↑ 弟見山〜あざみケ岳の山並み


↑ 山口市方面の山


Home=山でいっぷく!=