晩秋の高岳山を歩く(山口県)
高岳山はかつての周防の国と長門の国を隔てる国境の山であり、現在では山口県と島根県の県境の山並の一角に位置し、徳佐盆地を取り囲む山並の中では一番標高が高い山である。 その山容はなだらかなので、あまり目立たないが、徳佐盆地から見ると左側へなだらかに流れているのが特徴的である。
高岳という名前の山は各地にあるが、その高岳の後に更に山の文字が付くのがおもしろい。そんな高岳山の晩秋の姿を紹介します。
高岳山(たかだけやま:1040.7m:山口県阿東町)
山行日 2008年11月22日(土)晴れ
コース&タイム 林道途中(8:40)→林道終点(9:02)→桐ケ峠(9:30)→906独標(9:42)→高岳山山頂(10:10)→展望台(10:12-11:12)→林道途中(12:15)
主なピーク高岳山(1040.7m)
温泉 願成就温泉(道の駅)
メンバー単独

山口市から徳佐の町を抜け、国道9号線を津和野方面へ向かっていると、左手に高岳山への標識があり、そこを右折する。 油断していると見逃してしまう。道なりに進むと集落の向こうに高岳山が見えてくる。 登山口へ向かう桐ケ峠林道へは、集落の中をカギ型に抜けていくため、わかりにくいが、しっかりした標識が導いてくれる。 桐ケ峠林道は舗装はしてないが、問題はない。途中の分岐を左にまっすぐ進むと林道が少し狭くなる。その手前に小さな広場があったのでその脇に車を止める。 作業道路なので、邪魔にならないように注意する。 ここには何も標識はなく登山口ではなく林道の途中のようだ。この先の林道がどうなってるかわからないので、ここから歩くことにする。

↑ 国道9号線から登山口へ曲がる


↑ 集落の向こうに高岳山の山容が見てくる


↑ 「高岳」の大きな標識が登山口へ導いてくれる。
集落の中は道がわかりにくい。


↑ 集落を抜けると桐ケ峠林道へ入る


↑ 途中の分岐は左へまっすぐに行く


↑ 林道の途中の広いところに車を止め、
市場川に沿ってここから林道を歩く

林道は次第に細くなり、両側の木々や草がせり出してきて、車では通りにくくなる。道も荒れてきており、先ほどのところに車を止めたのは正解だったようだ。 林道終点の広場の先から本格的な山道となる。林道の途中から、標識らしきものがなかったが、ここで漸く標識が現れる。ただし、登山口らしき標識はここまで見当たらなかったような気がする。
小さな沢を渡った後、植林帯の薄暗い谷を登って行く。植林帯から自然林に変わるころから斜面も急になってくる。自然林の下に笹が現れると、すぐに桐ケ峠へ飛び出る。 桐ケ峠は狭い鞍部である。反対側からは古江堂からの道が上がってきており、右へ行くと三つケ峰から野道山への縦走路をなっており、左へ行くと高岳山へ向かう。
ここからは自然林の比較的明るい尾根道となる。906の独標を越えると、木々の間から目指す高岳山のピークが見えてくる。 一旦下った後、再び登りに入る。ブナに木々が目立ち始める。ブナの木々が並ぶ登山道はなかなか雰囲気がいい。木々の間から、十種ケ峰の形のいい山容が見える。

↑ 林道は最初はいいが、途中から狭く荒れており
林道終点まで車では無理。


↑ 林道終点の先の終点に広場があり、
そこから本格的な登山道になる


↑ 漸く高岳山への標識が現れる


↑ 植林帯の中の薄暗い谷の急登を登っていく


↑ 自然林と笹が現れると桐ケ峠へ出る


↑ 右へ行くと三つケ峰への縦走路。左へ行くと高岳山へ行く


↑ 自然林の明るい尾根になる


↑906独標を通過


↑ 木々の間から高岳山のピークが顔を出す


↑ブナの木々が現れる

自然林の中にブナが混じる少し急な登山道を登っていくと、登山道の途中に突然、高岳山の山頂が現われてきて驚く。 ピークのようにも見えるが、どうみても登山道の途中である。横にある三等三角点と木にかかる山頂を示す標識がなければ、山頂とは気がつかないかもしれない。 山頂付近はうっすらと雪が積もっている。11月下旬にしては早い。足跡が全くないので、積雪後は誰もここには来てないようだ。 山頂を過ぎ、新しい足跡と付けながら、少し進むと、目の前が開けた展望台に到着する。ここからは、目の前に徳佐盆地が見下ろせ、展望もいいので休むにはちょうどいい。実質の山頂はここであろう。 登山者には誰にも会わず、静かな山である。時折、木々の上から雪が笹にバサッと落ちる度にびくっとする(笑)。展望台でゆっくりと少し早めの昼食とする。 ここからは実に徳佐盆地がよく見渡せ、目の前に十種ケ峰の秀麗な姿が美しい。九州九重の湧蓋山とだぶって見えてしまうような山容だ。 徳佐盆地の先には津和野のこじんまりとした盆地の町並みもよく見える。その横に青野山の頭がちょこっと見えるのが可愛い。 落葉した木々の間から、安蔵寺山が見え、その右側に寂地山系もうっすらと見える。安蔵寺山もうっすらと雪で白くなっている。 静かな展望を満喫した後、再び来た道を戻る。結局、ここでは誰にも会わなかった。
下山後、津和野側にある、願成就温泉に行く。ここは道の駅にもなっている。また、おもしろいことに徳佐盆地にはかの有名な源義経の愛した静御前のお墓があるらしく、9号線を走っているとその標識に出会う。 せっかくなので、墓参りに寄ってみた。徳佐盆地の片隅に静かに眠っていた。

↑ ブナ林の登山道は雰囲気がよい



↑ 高岳山の山頂は展望もなく登山道の通過点を思わせる。



↑ 山頂より2分先に展望台がある。ここからは徳佐盆地の眺めが抜群!



↑ 津和野の街が見下ろせる。青野山の頭も見える。


↑ 木々の向こうに安蔵寺山、寂地山系が見える


↑ 展望台からは徳佐盆地を眼下に見下ろせる。素晴らしい景観を堪能する。



願成就温泉(道の駅)


↑ 徳佐盆地の一角に静御前のお墓が静かに佇んでいた。


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