汐原から吉和冠山・寂地山縦走
(かんむりやま:1339m 広島県、じゃくちさん:1337m 山口県)
山行日 2005年6月19日(日)晴れ
コース&タイム 汐谷林道途中P(6:47)→汐谷林道再奥登山口(6:56)→オオタキ(7:32)→クルソン仏岩分岐(7:52)→クルソン仏岩(8:05)→ローソク岩(8:10-30) →本道合流(8:44)→吉和冠山(9:26-45)→松ノ木峠分岐(10:30)→寂地山(11:14-12:10)→松ノ木峠分岐(12:40)→吉和冠山→国体コース分岐(13:30)→国体コース→汐谷合流(14:41)→汐谷林道再奥登山口(14:46)→汐谷林道途中P(15:00)
【行動時間:約8時間10分】
アプローチ 苅田町→下関IC→吉和IC→汐原
主なピーク冠山(1339m)、寂地山(1337m)
駐車場汐谷林道途中 温泉六日市温泉「ゆらら」

寂地山・冠山山系は春のカタクリの頃や秋の紅葉の頃は何度が出かけたことがあるが、夏季にはまだ訪れたことがなかった。 この山系の春のカタクリの花は有名であるが、夏もいろいろな花を楽しむことができ、 初夏の頃は運が良ければサラサドウダン、オオヤマレンゲ、ササユリに会うことができる。 特に九州では見ることができないサラサドウダンは是非会ってみたい花の一つであった。
今回、最も一般的な汐原からクルソン岩を経由し冠山へ、そして寂地山を往復し、冠山からは国体コースで汐原へ下るルートをとった。 特にクルソン岩横のローソク岩からは素晴らしい展望であった。 但し、下りに使用した国体ルートは現在はほとんど使用されてなく、既に踏み跡もかなり不明瞭になっているので、読図・コンパスが必要である。

汐谷林道の途中の小広場に駐車

アプローチ、汐谷林道

吉和ICを降り、国道186号を山口県錦町方向へ走っていき、潮原温泉の看板を右折すると、汐谷への林道となる。 林道再奥部が登山口となっており、そこには車数台程度の駐車は可能であるがあまり広くない。 林道途中の路肩に小さな広場があったのでそこに駐車する。

汐谷林道再奥登山口の鉄製橋を渡る

汐谷林道再奥登山口

駐車した林道途中から再奥部の登山口までは林道を歩いて10分程度である。
林道の脇には初夏らしく、ウツギやウリノキの花が迎えてくれる。
再奥部の登山口には鉄の橋があり、その橋を渡って進む。

汐谷の沢を何度か横切りながら進む
汐谷を行く

登山道は汐谷の沢に沿って進む。 まもなく左手にロープで進入できなくなった国体コースの入り口があるが、それを見送り真っ直ぐ沢沿いに進む。 初夏の香りがする樹林の中の緑の沢沿いの道は気持ちいい。

松ノ木峠登山口
ログハウス右手の林道へ入る
オオタキからクルソン谷へ

途中、何度か沢を木橋で横切りながら進むと、左手にクルソン谷が分かれるオオタキに到着する。休憩するにはちょうどよい。
ここからは沢を渡り左のクルソン谷へ進む。

クルソン谷をいく。
ニシノヤマタイミンガサの道

クルソン谷の道は広々として歩きやすい。 登山道の脇にはニシノヤマタイミンガサが大きな葉を広げて迎えてくれる。

クルソン岩への急登り
クルソン岩への分岐

しばらく行くと道は二分する。直進するとそのまま冠山へ向かう本道となり、左へ進むとクルソン岩へ向かう急登である。 ここは左へ進みクルソン岩へ向かう。登りは急であるが、両脇には綺麗なコアジサイの花が多い。

クルソン岩の基部にて
クルソン岩とローソク岩

急登を登りつめると大きな岩が屹立するクルソン岩の基部に出る。 クルソン岩へ登るのは難しい。 岩の下を左の東側へ回り込んで行くと端にローソク岩があり、このローソク岩へは簡単に上がれる。
ここからの展望は素晴らしい。東に汐原の集落が望め、反対の西側にはクルソン岩と冠山の山容のデーンと広がる。 岩の間の朱色のヤマツツジが綺麗であった。

ローソク岩から見るクルソン岩と冠山の展望

ササをかき分けて進む
クルソン岩から本道へ

ローソク岩からの展望を楽しんだ後、再びクルソン岩の下を戻り、真っ直ぐに冠山への本道へ向かう。 部分的にササがかなり茂っておりかき分けて進む。

本道へ合流
冠山への本道へ合流(クルソン分岐)

ササを抜け少し行くと、冠山へ向かう本道に合流する。 このあたりからブナが多くなり雰囲気のいい道となる。

気持ちのいい登山道
冠山へ向かう

しばらく山腹をトラバースするようなだらかに進んだ後、再び登り始める。
冠山への最後の登りにかかると、登山道の脇にオオヤマレンゲが現れ始めたかと思うと、ビッシリと花がついたサラサドウダンも迎えてくれる。

目の前にサラサドウダン
オオヤマレンゲとサラサドウダン

サラサドウダンに会うのは私も同行のKさんも初めてである。独特な筋の色合いの花にしばし感激して、写真撮影に夢中になる。 オオヤマレンゲの花もちょうど見ごろであり、まさに山の貴婦人の如く白い花を目立たせている。
素晴らしい花に見とれながら登っているうちに、あっという間に吉和冠山の山頂へ到着。

オオヤマレンゲ

サラサドウダン

吉和冠山山頂
吉和冠山頂にて

冠山の山頂は樹林に囲まれており、展望はあまりよくない。 ここから北側へちょっと行ったところが露岩の展望台となっており、そこからは北側の展望がすぐれるので、是非そこへ立ち寄ろう。

松ノ木峠分岐にて
松ノ木峠分岐へ

冠山からは寂地山へ往復縦走へ向かう。南へいったん下り、再び登り返すと松ノ木峠への分岐へ出る。 冠山からの下りの途中もかなりオオヤマレンゲが多い。

雰囲気のいい寂地への縦走路
寂地山への縦走

松ノ木峠分岐を右手に進み、寂地山への縦走へ向かう。 寂地山までは小さなアップダウンはあるが、登りはほとんどない快適な縦走路である。 寂地杉とブナ林の景観は寂地特有の縦走路である。

ブナに囲まれた寂地山頂
寂地山頂にて

快適な縦走歩きで、ブナに囲まれた寂地山頂に到達する。 春のカタクリの頃と違って、木々の緑が生い茂り鬱蒼とした雰囲気だ。 ピンクのカタクリが咲いていた地面にも緑の草で覆われ、季節の移ろいを感じる。 思わず、「夏草や 強者どもが 夢の跡」の句が頭に浮かんだ。
道端を眺めていると春のカタクリの花の名残の実を見つけた。

夏草に覆われた林道分岐付近

カタクリの実

ササコギ
国体コース

下山は再び松ノ木峠分岐経由で冠山へ戻り、汐谷へは国体コースで下る。 国体コースは分岐の入り口の表示もなく、踏み跡も不明瞭なところが多く、かなり荒れているのでこのコースの利用はあまりお勧めできない。 途中、植林帯付近で谷へ入りこみやすく注意が必要。地図とコンパスで尾根を踏みながら汐谷へ下る。

汐谷登山口へ到着
汐谷登山口へ戻る

汐谷へ合流し、登山口へ戻る。
夏の吉和冠山・寂地山系は初めてであったが、ブナの緑も美しく花も多く充実した山行であった。 また、この頃に訪れてみたい山域である。
【出あった花たち】

コアジサイ

トケンラン

ササユリ

ツクバネソウ


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