犬ガ岳が一年で最も賑わうのはやはり4月下旬から5月中旬までのシャクナゲの頃であろう。 国の天然記念物に指定されたツクシシャクナゲの自生地として有名である。
その時期を過ぎるとめっきり訪れる人も少なくなり静かな山となるが、夏も楽しめる山である。 初夏の花として意外と多いのがオオキツネノカミソリ。 沢沿いの薄暗い斜面がオレンジのオオキツネノカミソリで埋め尽くされる。また、同時に静かな沢登りも楽しめる。
初夏の犬ガ岳を紹介します。

【山行日】 2004年7月11日  天気:晴れ
【コース&タイム】 犬ガ岳登山口(9:06)〜恐淵コース〜経読林道ベンチ(11:05-21)〜大竿峠(11:48) 〜犬ガ岳・甕ノ尾(12:19-13:12)〜笈吊峠(14:09-17)〜経読林道・ウグイス谷入口(14:51) 登山口駐車場(15:40) 【行動時間】約6時間30分
【主なピーク】犬ガ岳・甕ノ尾(1131m)
【温泉】ト仙の里
【地図】「伊良原」「下河内」
2.5万分の一
【メンバー】Yoitomake

 恐淵コースを行く

登山口の駐車場
登山口駐車場にて

8:50、登山口駐車場に到着する。
予想以上に車が止まっている。一般の登山者や沢登りの他に、川遊びをする家族連れも多い。
犬ガ岳登山口駐車場には綺麗なトイレが設置されている。
準備運動をして出発!

ヤマメ屋の間を抜けて登山道へ入る。
ヤマメ屋の登山口

駐車場からは左手のウグイス谷コースを見送り、まっすぐ進むとヤマメ養殖場に出る。
2軒あるヤマメ屋の間の登山道を入って行く。

杉林の登山道を行く。
杉林の林道をしばらく進む。
沢を横切り、沢沿いの右岸の斜面を進む。

薄暗いオオキツネノカミソリの斜面
オオキツネノカミソリの斜面にて

沢沿いの薄暗い斜面に入ると、周りにオレンジ色のオオキツネノカミソリがいっぱい首をもたげてるのに出会う。
まだ少し時期が早いようで、飛び出ている茎に比べて花が開いている数は少ないが、開いている花は初々しくて新鮮な感じだ。
しばらく、鑑賞しながら写真を撮る。

オオキツネノカミソリ(1)

オオキツネノカミソリ(2)

沢沿いの登山道
沢沿いの恐淵コースを行く

恐淵コースは沢を何度と横切りながらの沢沿いに進む。 途中、鎖場の渡渉点付近は雨の日は滑りやすいので注意しよう。

緑が美しい経読林道を行く
経読林道に出る

沢から分かれて、階段状の登りを喘ぎながら登ると経読林道に飛び出る。
経読林道を右手にしばらく歩くとベンチのある広場に出る。ここから、林道を別れ大竿峠への登りに入る。
ベンチで休んでいると、突然、何かが飛んできた。帽子で捕まえると、なんと大きなミヤマクワガタであった。しばらく、クワガタ君と遊んだ後、逃がしてあげる。

林道のベンチ。大竿峠へ向かう。

ミヤマクワガタ

大竿峠のベンチにて
大竿峠にて

経読林道を別れ、ブナの自然林を見ながらの心地よい道を登っていくと、大竿峠に出る。 右に行くと一ノ岳、左に行くと二ノ岳を経て犬ガ岳・甕ノ尾に至る。
今回は一ノ岳へ行くのは止めて、甕ノ尾を目指す。

ナツツバキ(撮影:K)
ナツツバキを愛でる

大竿峠から甕ノ尾を向かっていると、仲間のHさんが突然立ち止まり、じっと樹木を眺めている。
どうしたのかと思ったら、どうやら「ナツツバキ」の花を見つけたらしい。 近づいて見ると、高さもちょうど手ごろな樹木にナツツバキがいっぱいの花をつけていた。Hさんのおかげで、思いかけずに間近で花を見ることができ、三人で幸せな気分に浸る。

犬ガ岳山頂にて。石室の上から。
犬ガ岳山頂

12:19、犬ガ岳山頂に到着。数人の登山者が昼食をとっていた。
犬ガ岳山頂は樹林に囲まれており、展望はよくない。山頂の中央にある石室の上に上がると豊前側が少し見える。
山頂にあるブナの足元で昼食とする。
 笈吊岩を経てウグイス谷へ下る

縦走路から見る経読岳方面の展望
シャクナゲトンネルを行く

昼食をとった後、笈吊岩を経てウグイス谷を下ることにする。
笈吊岩へ続く縦走路の両側はツクシシャクナゲがいっぱいで、まさしくシャクナゲトンネルである。 今は花はないが、今年は裏年で、シャクナゲの花は少なかったらしい。
途中、経読方面の山並みが広がる。

笈吊岩を下る
笈吊岩を下る

笈吊岩は犬ガ岳のコースのハイライトであろう。修験者も背負っていた笈をはずして登り降りしたことから名づけられたらしく、難所である。 きちんと鎖が設置されているので、慎重に下ろう。

笈吊峠のベンチ
笈吊峠にて

笈吊岩を下るとベンチのある笈吊峠へ到着する。
この付近は毎年5月に豊前市と耶馬溪町主催の「シャクナゲ植栽登山」での植樹が行われるところである。 私は第一回目にも参加してことがあるが、昨年(2003年)にも今回のメンバーで参加し、この付近に植樹した。
どうなってるか植樹したところを探してみるが、ありそうでなさそうである。

経読林道からウグイス谷への降り口
ウグイス谷を下る

笈吊峠から少し下ると再び経読林道に出る。右手に林道を少し行くと、ウグイス谷への降り口がある。
ウグイス谷への下りは最初が少し急であるのでゆっくり下ろう。

ウグイス谷のオオキツネノカミソリ
再びオオキツネノカミソリ

ウグイス谷を下って行き、沢沿いになるとやがて幅広い林道に出る。
林道の両側の斜面にもオオキツネノカミソリの群落があり、再び目を楽しませていただく。
林道を下っていくと、駐車場へ出る。

オオキツネノカミソリと初夏の花を満喫した山行でした。

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